徒然

小説漫画音楽。好き勝手に感想と紹介をします。

君の膵臓をたべたい

一番はじめは何にしようか考えて、これにしようと決めました。


住野よる さん。第1作目からとてもおすすめ。

まずはデビュー作の“君の膵臓をたべたい”を読んでもらいたい。

実写映画まで決まった作品ですが、
まずは小説を読んで欲しいと思います。

内容はもちろん、小説の書き方が魅力的なんです。漫画でも実写でも、それは伝わりきらないと思うから。
まずは小説を、文章を見てもらいたい。

映画も見ていないから断言してしまうのはどうかと思うけれど、多分内容が少し違うと思う。
全く同じではないと思う。


私がこの小説を買ったきっかけはなんと言ってもその題名が目に付いたから。

衝撃的なタイトル。

けれどそんなタイトルはない訳では無い。
それなのにどうしてそこまで目に付いたのか。

もちろん、書店で入口近くにおすすめされていた、というのもある。

けれどそれだけではないんです。

この文字を見て想像するのはカニバリズムか、狂愛か。そんなところだと思います。
グロにもあまり抵抗がない私もそこを連想しました。

表紙は淡い色彩で桜。
書店のポップには泣ける恋愛小説という説明。

気になって思わず衝動買いでした。
この時点ではまだカニバリズム系の話を少なからず予想していましたが、決してそんな話ではありませんでした。

いい意味で予想を裏切り続けられた小説。
一言でいうならそんな感じでしょうか。

開いてまず一ページ目で衝撃。

恋愛小説だと思って読み始めた1行目。
まさかのお葬式から始まりました。

そんな始まり方で始まった物語は読めば読むほど惹かれていってあっという間に私は住野よるさんの世界に惚れ込みました。


ネタバレは言いたくないけれど、あらすじをいうとしたら、

地味で目立たない、人との関わりが好きではない文学少年の僕と、
クラスで人気者、常に明るくて人の輪の中心にいる少女。

そんな二人の恋愛小説。
恋愛小説なんて言葉で片付けられないけれど、これはたしかに恋愛小説でした。

君の膵臓をたべたい

その言葉の意味は読んだ人にしか伝わらない。


明日が当たり前に来るなんて思ってはいけない。
死も生も、誰にでも平等であることに変わりはないのだから。

私は見事に裏切られました。

人はいつ死ぬかわからない。
明日が来ることは当たり前ではない。
病気であろうと健康であろうと。

たしかに読みながら僕と一緒にそう思っていたのに。それをしっかりと受け止めていたはずだったのに。

私はその意味を理解出来てはいなかった。

思い込んでいた。

予想はあっけなく崩れさりました。
それはもうぼろぼろと。


僕は1歩踏み出した。
彼女の笑い声は私の中でも思い出となった。

ぜひ読んでいただきたい。
今一番おすすめな小説です。